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『NEWSを疑え!』第285号(2014年3月17日特別号)

『NEWSを疑え!』第285号(2014年3月17日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・ロシアが米国にロケットを供給しなくなると…
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・朱建榮教授からの挨拶状(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・ロシアが米国にロケットを供給しなくなると…

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 米政府と欧州連合(EU)は、クリミア半島占拠に関与したロシア政府高官に対する制裁を準備中と発表したが、目に見える形で制裁の効果が語られることはない。制裁が発動された場合、第二段階のロシア企業に対する制裁を経て、ロシアによる欧米諸国との貿易制限という報復措置へとエスカレートする可能性が考えられるが、具体的にはどのような影響が生じるのだろうか。

 米国がロシアに供給を頼る数少ない工業製品の一つが、衛星打ち上げロケット・アトラスVの第1段エンジンRD-180で、ロシアに対する制裁の影響が出ることは避けがたいだろう。

 アトラスVは米空軍の要求によって開発され、軍事目的の衛星と宇宙往還機を軌道に投入している。ほとんど報道されていないが、もし経済制裁によってロシアからのRD-180エンジンの供給が不安定になった場合、米国の新興企業スペースXのファルコン9ロケットがRD-180に取って代わる可能性が広がり、米国側に戦略的メリットをもたらすことは知られていない。


RD-180エンジンを搭載したアトラスVロケット
(NASA撮影)

 RD-180エンジンは、旧ソ連の大型ロケット・エネルギアの補助ロケット用エンジンRD-170をもとに、ロシアのNPOエネルゴマシュ社が1999年に開発した。推進剤はケロシンと液体酸素。アトラスVはRD-180を1基搭載しているが、RD-180にはノズルが2個あるので、アトラスVは第1段エンジンを2基搭載しているように見える。